資金調達の練習が必要だ!?

 私はこれまで敢えて司法試験改革についてコメントを避けています。なぜなら、あまりにも不満が多いからです(*1)。

 何のために改革するから、どう改革したのかという、改革の目的と結果が全く理解できないのです。なぜわざわざ日本でロースクールを立ち上げたのか? ロースクールは良いとしても、ではなぜ司法試験や司法修習制度を残したのか? まこと中途半端な改革だ。
 ロースクールを出ても大半は資格を取得することはできず(*2)、ロースクール進学の意味をなさないのなら、なぜ敢えて時間と資金のリスクを負って司法界を目指す者が増えようか? ましてや法学部出身者以外の有識者の取り込みなどこの改革では無理だろう。

 結局、この司法試験改革は、司法試験受験にあたりロースクールという余分な障壁を設けるだけ*3の改革となったようだ。しかもこの障壁は、時間を資金の余裕が持てる者のみの通過しか許さないものだ(*4)。そして、資金と時間の持てる富裕層からのみ法曹が選抜されていく。これは、日本の司法界を一層国民から引き離すことになるだろう。

 さてさて、資金と時間がなければ、ロースクールなど考えてはいけないようだ。勤めながらではロースクールに通う時間すらないし、勤めを辞めると家族を養う資金が必要なのだから。
 しかし、引いては負けである。そして、私も相当な変わり者であるから、「時間がなければ仕事を辞めればよい」「資金がなければ作ればよい」と考える。その方法が邪道と言われようと法に触れなければ何でも良いと思っている。勝つためには形振りは構っていられないのだ。
 そして、相場師に手を染めつつある。相場だけで食うプロではないが、退職金とバイト代などでは足りない分を埋め合わせるための相場師である。少なくともセミプロとしてやっていけるようにならねば、今の仕事を辞めることはできない。
 とにかくまだ今は、少ない資金でとにかく資金稼ぎの練習が必要だ。

*1:不満ばかり言って、いくら批判してそれが支持されようと事態は変わらない。それ道を選んだのは自分なのだから、自分で道は切り開かねばと思うから

*2:司法試験の合格予定者数より、ロースクールの定員を2倍多く認可すれば、ロースクールの入学生の半数が資格取得できないことは四則演算さえできれば判るはずであろう。

*3:ロースクールで実務教育を行い、試験で確認するのならその後の司法修習を廃止できそうなものだが、結局、法務省が司法修習の監督官庁としての利害を捨てることができなかったのだろうと推察している。

*4:勿論、資金と時間があっても一定の能力か無ければ通過することができないのだが、能力が有っても時間と資金が無ければ挑戦することすら諦めなければならないという意味である。