景気は良くなっているようだが・・・

 世の中の景気はよくなっているのかな。公務員はあまり実感ありません。まあ、株価見たり、商品価格を見たり、為替を見たり、それに影響を与えるニュースは読んでいるので景気動向は一般の人より敏感なつもり。それでも感覚としてはとても良いとは思えない。給料は下がるし、人は来ないし。。。。強いて感じるとすれば公務員に良い人が来ないのは景気が良い証拠だという、世の中との逆転現象から逆説的に考えれば、景気の「良さ」を「実感」できないわけではない。まあ、国債の発行しすぎで経営破綻している国に勤めているのだから仕方があるまい。早く逃げよう!!

 おカネの発想法 - 財産と生活を護りながら本物のおカネ持ちになろう! という本を読んでいて見つけた面白い一節を紹介。「高齢者ほど日本政府を信じていない!」というところの高齢者の一節。ちなみに高齢者の方は、戦時国債の踏み倒しと戦後の預金封鎖を経験しておられるのですね。

「最近個人向け国際なんて出てきているでしょ。だいたいね、お国が個人に国債なんて売ろうなんていうときは、もうダメになっているっていうことなんですよ」

端的で非常に印象に残る一節ですね。

 「国債の踏み倒しとか預金封鎖は第2次世界大戦の影響ではないか」と思われるあなたはおめでたい人だ。日本の累積債務残高というと、対GDP比に対する累積債務残高では第2次世界大戦直後にイギリスが作り出した記録とほとんど同じなのだ(*1)。これを戦争に絡めず作り出したのだから凄まじい。戦争のため債務が膨らんだのなら、戦争が終わることで復興することもわかる。でも、戦争もなくこれだけの累積債務を作り出したのだからその根はきっと深いのだろう。ひょっとして日本人(いや日本政府か)は、アメリカ人よりよほど消費主義なのではないだろうか?


 というような国債問題より、ロースクール問題を書こうと思ったのでした。ロースクールという制度ができて2年目にして、新司法試験の合格率の低さ(*2ロースクール人気に陰りが見え始めていますね。そこにきて景気の回復による求人状況の回復がさらに法科大学院への進学者を減らすことになるでしょうね。少子化のため大学ですら学生集めに躍起にならなければ経営が厳しい時代に、好景気による就職環境の良さとに天秤に掛けられた日本版ロースクール。まさに弱り目に祟り目とはこのことでしょうか?
 司法試験が新司法試験に一本化される5年後までに経営破綻してしまうロースクールがどれだけ出ることやら、、、そして、いつまた制度改革をやり直すのやら、、、いろいろな想像が出来てしまいます。まあ、その頃には国債問題で国自体があっぷあっぷで、ロースクールの破綻など気にする余裕は無いかも(*3)しれませんね。ロースクールが破綻するか、国債で国が破綻するか、どっちが先かなと最近の金利状況を見ているとそんな気がします。


*1:しかも戦争のため落ち込んだGDPに対する累積債務残高と比較しての話なのでもっと深刻だと私は思うのだが。

*2:と、それに対するあまりにも「大きい代償のため」だろうね。ロースクールの人気の陰りは。

*3:日本の経済アナリストは、アメリカの双子の赤字(というか、それによる日本への影響)の心配をしたりしているが、アメリカの財政赤字は日本に比べるとよほど良いものだ。まさに末期癌患者が隣に寝ている風邪の人の心配をしているようなお人好し。こうなっても、ロースクール支援論が出るかもしれない(笑)