博士は使えぬ か?!

7/18付の読売新聞のホームページ(http://www.yomiuri.co.jp)の記事に
『博士号取っても定職なし、文科省が「余剰博士」対策へ』
というものがあった。

「民間企業も『博士は社会経験が乏しく、視野も狭いので使いにくい』
などの理由で博士の採用を避ける傾向がある。」
とか、
「博士が職にすら就けないという“博士余り”現象が、年々深刻」
という記述が目に付いた。(「」内は同記事より引用)


 私は定職についているので、まだ幸せものかな・・・。(というより定職に就いてから学位を取得したのだが。)

 職場柄、周りには学位を持つ者が多いが、そんな中で感じることと言うと、「本当かな」と思うのである。
 まず、社会経験が乏しいのは、大学(学士)卒業生や大学院(修士)を出たての者も同じだろう。「視野が狭い」かどうかは、その人によると思う。学位を持っていても、視野の広い者も沢山いる。

 さてさて、どうしてこういう誤解を受けることになるのだろうか?
 私など博士(工学)の学位はあるが、規則類の案分作成から数式の入った論文書き、契約の話から、方向はまったく違って飛行機の飛ばし方の作成までこなしている。私以外でも、工学博士でありながり「立派な行政官」である方も沢山いらっしゃる。


 どうして、博士の学位を持っているだけで、視野が狭いと思われるのだろうか。たかが3年間大学院に長く在籍して学位を得ただけであるのに。確かに、中には研究一筋で管理職になっているのに「管理」の仕事が全くできず、困ったちゃんになっている博士殿もいるのは確かで、「こういう人が博士だというと世の中に誤解を招くよなぁ」と思えてしまう人もいる。でも、これはこんな人を管理職に就けた職場が間違っているのであろう。要するに「人の使い方が悪い」のだ。
 博士号を持っているからと言って「博士」として処遇する必然性などさらさら無いのでは無かろうか。要するに「結果がだせる」ことが仕事では重要であって、結果が出せる人かどうかで判断し、結果に応じた処遇をすればいいのではなかろうか。


 企業の人事担当者殿に御一考を願いたい次第である。