不良マンションの被害は・・・・

 耐震性偽装のマンションもこれだけの数があると、恐怖を感じますね。また、本当にこれだけかと心配になったりします。

 購入した者にとっては、販売会社の責任を追及するしかないのでしょうが、販売会社というものは、銀行から金を借りて、土地を買い、お金を払って業者にマンションを建ててもらい、そのマンションを売った利益で銀行にお金を返すという循環のはず。この循環の中で販売会社は利益を抜き運営している訳なので、このお金の循環が断ち切られるとたちまち立ちゆかなくなるだろう。

 マンション1棟を立て直すとしても、相当な資金が必要になるわけで、しかもその資金は回収不能とくる。このためにお金を貸す銀行などないだろう。これまでの利益からよほど剰余金を貯め込んでいない限り、販売会社の先行きは苦しいとみる。
 販売会社から見れば、マンションを建てた業者(販売会社がお金を払ったから、業者に対して販売会社が客になる)が粗悪品を作ったのだから、担保責任を追及して立て替えさせることは可能かもしれない。いやいや、法的には担保責任の追及は可能だろう。しかし、今日のニュースでは建設会社が倒産してしまった。これで販売会社が立て替えるためには、相当なお金の出費が避けられない。販売会社が持ちこたえられるかどうかが問題ですね。

 販売会社が倒産すれば、マンションの購入者は誰にも被害の救済を求めることができなくなる。住むこともできないマンションを買う人は居ないだろうから資産価値はゼロである。しかし、銀行の借金だけが残る。悪いことをして儲けた人たちは会社を倒産させればそれで済む(*1)。マンションを購入した一般人だけが個人債務をずっと負うことになる。酷い話だ。

 さてさて、残ったマンションのローンと、新たに借りた部屋の家賃を払うのは大変だ。それを埋め合わせるために、今まで働いていなかった奥様までパートに出て借金を返済しますか?何十年も・・・。これなら、前の借金を返すためだけに余分に働いているようなもの、まるで銀行のために働いているようだと思いませんか?悪い人たちが会社を倒産させれば済むのだから、個人も同じようなことをすればどうなるだろう・・・。銀行ローンを返さなかったら・・・。もちろん銀行は催促するでしょうね、それでも払えなかったら、抵当権を実行してきますよね。こうなったら、銀行ローンの支払いをやめて抵当権の実行してもらえば・・・。住むことのできなくなった不良マンションを銀行に差し出すのはいかが?

*1:倒産したのは会社で、経営者が代わりに会社の借金を払うわけではない。