悲観論者ではないのだけれど

 私はどっちかというと楽観論者なのですが、客観的なデータからするとどうしても国の財政については楽観的な結果は見えませんね。まあ、危機を煽って商売する輩も沢山いる世の中なのですが、私は危機を煽ろうという気は毛頭ありませんね。

 「国家破綻はありえない」という本も読みましたが、具体的な対策があるわけでなく、抽象論だけですから、現実に目の前にある数字を否定できるかと思うととてもそうは思えませんでしたね。

 インフレを起こせば債務は相対的に減りますから問題ないというのもどうなのでしょうか。インフレをどうやって起こすかと言う問題もあるし、インフレをコントロールしながら操れるかというととても疑問。膨大な借金が帳消しになるほどのインフレが発生すれば、とてもお金を貸す人はいなくなりますよね。新たな起債ができなくなるのですがいいのでしょうか?税金を集めて、執行するまでにその税金の価値もどんどん減少しますがそれでもいいのでしょうか?国の債務は帳消しになり財政は破綻しなくても、日本経済が破綻しますが、それは正常な政策でしょうか?

 また、この本には「無期限債」を発行して債券価格が下がったときに償還すれば問題ないというようなことも書いていましたが本当でしょうか。経済についてほんの少しの知識があれば、無期限債が券面額通りで起債できるはずがないのはわかるはず。著者もそれくらいのことはわかっているはずですが・・・。そして、「価格が下がったときに償還する」というのは、国に一種の国債トレーディングをやれということ? まあ、財政赤字分をトレーディングで稼げれば万々歳だろうけれど、トレーディングはいつも勝てるかどうかが問題では・・・。確かに国が国債トレーディングをやると情報量も資金力も抜群だから、きっと勝てるでしょうが、そういう市場を作ってしまったら間違いなく不公正な債券市場だね。
 卑怯だろうが、不公正だろうが、累積赤字を解消するためなら何でもありというところなのでしょうか? なんだか、財政破綻を免れても、別の意味で国際的な信用を失うような気もしますけれど・・・・。


 一例ですが、私はこの本を読んで、よけい不安になりましたが・・・・。

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