職業裁判官の良識とは?

 私が素朴に思うことは、自分の意志で罪のない人を殺し、反省していない犯人の命をて保証する必要があるのだろうか?

 国が犯罪者の命を積極的に奪うのが死刑の執行という。積極的に命を奪うことなく、永遠に社会から隔離することを終身刑という。
 ここで、日本の無期懲役終身刑ではないことに注意したい。無期懲役と言えども10年以上たてば隔離出獄させることが法律上可能なのである。そして、法律上は原則的に無期限に刑務所に入れておくはずだが、現実では20年前後で仮出獄が認められることが多いようだ。仮出獄中は保護観察下に置かれてはいるが、実際には殆ど野放しで所在すら確認できない者も多くいるという。このように多くのものがまた社会に舞い戻り野放し状態である現実からすれば、無期懲役終身刑ではないことは明白だ。

 このように、死刑と無期懲役は雲泥の差があり、現行法制度では死刑を選択する以外に凶悪犯を社会から永久に隔離することはできないのである。どうも日本の裁判官というのは死刑という判決を書くことが嫌なのらしい。罪の無い、か弱い人がどのような惨たらしい殺され方をしたとしても、裁判官は現実からは目をそむけ死刑を避けるために重箱の隅をつつき些細な理由を探し出す。これが職業裁判官のあるべき姿なのだろうか? 私は大いに疑問である。
 確かに、自分の判決という判断によって人の命が奪われることは気持ちの良いことではない。しかし、裁判官という職を志した以上、法律に従って、必要なときには必要な判断をすべきなのではなかろうか?

 日本は言わずもがな3審制度の国である。地裁の無期判決で決まるものではない。まだまだ高裁、最高裁と審理は続けられるはずだ。高裁、最高裁の良識がいかなるものか一国民として見守っていきたい。