明石陥没事故裁判の弁護人

 今週は明石の陥没事故の判決がありましたね。過失致死なのでこういう判決ができるのでしょうね。故意に人を殺した罪ではなく、管理責任からくる不作為を罪に問うのですから難しいですね。例として

  1. 会社経営者が利益を優先するために必要な支出をしなかったために管理責任を果たせなかったような場合
  2. 役所の担当者が、管理責任を果たしていなかった場合

を考えてみると、1の場合に罪を問うのは楽でしょうが、2の場合は難しいでしょう。違いは、1の経営者が別の人なら必要なことをしたでしょうが、2の「担当者」が別の人でも同じような結果になったでしょうからです。2の例の「役所」を「企業」に読み替えても同じです。会社の一担当者が管理責任を果たすのは無理でしょうから。

 遺族の方の気持ちはわかりますが、これは仕方がないのではと思います。

 この判決というか裁判では、今日の読売新聞のHPの記事(http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20060708p201.htm)の一部を引用すると

市側被告は弁護人を通じ「ご遺族の心情を思うと、コメントする気持ちになれない」とした。

と、無罪事件(*1)なのに、被告人側の弁護士がとても被害者の心情に配慮しているということに気がついた。被告人が有罪判決を受けたにもかかわらず記者会見で言う必要もないようなことをべらべら喋る光市の事件や広島の事件の弁護士とは大いに異なる。やはり弁護士たるもの、この明石の市側の弁護士くらいの配慮が必要なのではないだろうか

*1:ということは、有罪となる事件より被告人の責任が低い(という責任がないから無罪)