NHKの受信料って支払い義務はなかったのか?


 日経新聞に「経済、株価、ビジネス、政治のニュース:日経電子版」という記事があった。義務化もなにも、現行の放送法で契約する義務を定めている。契約が成立していたら、その契約に従って履行義務(受信料支払い義務)が生じるのは民法で決まっている。
 なのに、

NHKは職員のカラ出張など相次ぐ不祥事で受信料の不払いが増えている。現在の放送法では受信契約は義務だが、受信料の支払いは義務ではなく

というのだ。
政府・与党が義務化の是非を検討するというのだから、政府と与党の見解では、現在のところNHKの受信料は支払わなくてもいいのだね。了解しました。


 受信料の支払いの義務化とは、国税執行法のように、税金を滞納した場合のように簡単に強制執行ができるようにするということかな?。それでも、受信契約を結ばなければならない条件を満たしていることを証明する責任(挙証責任)が請求側(NHK側)にあるのなら、ほとんど意味のない法律となると思う(*1)。

 それとも国民全員に受信料を強制負担させて、受信契約を結ばないでよい(要するに家にテレビがないということ)要件を満たしていることを証明しなければ(挙証責任の転嫁)受信料が強制徴収できるシステムにするのだろうか。要するに、請求側の証明抜きでいきなり債務名義(ようは強制執行できる状態ですね)がとれる制度にする。この方法だとかなりの効果があるだろうが、相当横暴の感が拭えない。
 それでも、支払えという債務名義を得られても、100万円以下の強制執行は経費倒れになることを考えると、NHKの受信料の時効消滅する間の全てに債務名義を得ても、強制執行は現実的に無意味だから掛かってこないことを知っている強者はきっと払わないと思う(*2)。

 凄まじく強力な方法として、所得税のように給与などから源泉徴収できるように法律を改正する? 2重源泉された場合や、テレビがない人は、確定申告のように申告して還付を受ける方式。
 これだと請求するのではなく「先に盗ってしまう」方法。そして「返して欲しく、言ってこい」という極めて横柄ななやり方です。きっと「払いすぎた」と還付請求する人は少ないので、2重取り3重取りでNHK様は十分に潤います。これなんかにすると、NHKという組織温存のためには国民の経済的犠牲など何の園という超過激制度になるかな。でも同様の方式は所得税源泉徴収という制度で確固として実施中。法律にしてしまえば何でもありですからね。法律になってしまえば裁判所なんて何のその、かつてサラリーマン税金訴訟として源泉徴収制度を争った方がいらっしゃいますが、最高裁はあっさり合憲判決を出しています。

 まあ、どういう方法を検討しているかは知りませんが、どうしても「公共」放送と言い張るのなら、いっそNHKを全額税金で運営して、国会のコントロールで運営すればいいではないか(*3)とも思う。資金の流れを透明にして、NHKの職員の給与も国家公務員並みに下げる。広く国民からお金を集めるなら、それくらいして欲しいものですね。NHKは給料高いそうなので。


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*1:「法律で決まってます」という言葉で支払う正直者が馬鹿を見る制度としては効果的でしょうが

*2:強制執行しますよ」という督促状にびっくりして支払う正直者が馬鹿をみる制度となるか

*3:しかし、国営絡みにすると多くは経営破綻する。国鉄、電話、高速道路etc